シュフウグーの 主婦エッセイ

等身大の 心の旅 ~自己観察 家族観察 いのちの観察~

心の断捨離エッセイ


《はじめに》

  4月20日午後3時

           居眠り単独事故を

              起こしました。

 

  外傷はほぼなかったものの

   全身打撲で身体のあちこちが

    悲鳴をあげています。

 

  しばらくの休養を申し出たところ、

    自宅療養中の過ごし方として、

     職場からエッセイの練習の

      提案を受けました。

 

   文字を書くことが好きなのに

    指に力が入らない。

     書けないもどかしさを

      吹き飛ばす提案でした。

   以下はその時に作ったものです。

    3作ある中の1作を載せてみました。

   なお、エッセイストでは

    ありません。

     決まりなどにも詳し

      ありません。

     お見苦しい点はご容赦ください。

 

      ご意見ご感想などお寄せ

        いただければ幸いです。

 

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 『その鎧』

 

 「うわっ、また眠った!」

 

「ちゃんと布団に入って寝ろって…」

 

「それどころじゃないから!」

 

「はぁ…こっちは田植えも終わったし、ぼちぼち…」

 

「ごめん、自分の事で精一杯!行ってきます!」

 

葬儀バッグの持ち手がしなる。車に積み込むその重みで罪悪感を振り払った。

 

「ぼちぼち…」の続きはわかっている。言葉を遮って全身で盾を構えた。夫に向けた。

 

車に乗り込みハンドルを握ると鎧がほどけた。仕事と向き合う事で優しくなれた。

 

本葬用のナレーションを移動中のBGMにのせる。今朝向かう会館へは自宅から北へ片道

 

40分ほど。近いほうだ。

 

本葬が終わる頃にはメールで次の発注が入る。大概、通夜と翌日の本葬がセットだ。

 

2時間前の会館入り。次の会館へは片道1時間半。逆算すると一息つく程度の時間はあ

 

る。朝の業務が終わり仕事モードのまま自宅に立ち寄る。まず確かめるのは寝そべる夫

 

がいないこと。この姿を目の当たりにするとたちまち体が熱くなる。どれだけの覚悟を

 

もって脱サラしたのだろうか。ただ、怒りに時間を費やすのも馬鹿らしかった。とりあ

 

えず居ないことに安堵する。通夜の資料の準備をし自宅を後にした。夫に行き先を告げ

 

ず出掛けた。正しくは、いったん触れた携帯電話を助手席に放したのだ。初めてだっ

 

た。夫への必死の抵抗が自分の心を許した。

 

車を東へ走らせ始める。昼下がりの日差しに口角を上げてみたくなる。流れる景色が心

 

地よくてBGMも変えてみる。ナレーション候補のことば達が頭上に降りてきた。ワンセ

 

ンテンスを選びながら世界に入り込んだ。

 

田植え前の田舎道を40分ほど走っただろうか。流れる景色はいつしか上まぶたに消え

 

た。予期せぬ衝撃音としなる体。白煙のにおいが私の鼻をかすかにゆがめた。同時に現

 

実へと引き戻してくれた。顔面のバウンドに命が包まれた。悲鳴と引き換えに、強がり

 

の甲冑は粉々に砕けた。

 

ちっぽけな心はここで休戦。夫への報告は携帯電話を両手で添えさせた。

 

「ごめんなさい。事故を起こしてしまいました。」

 

「どこで!」

 

野太い声に答えながら、直角にお辞儀をする。

 

夫の迎えを待ちながら、散らばった書類を拾う。助手席の今朝武器にしたバッグは、最

 

後部で潰れた。

 

帰り道、ひと通りの事情に動じない横顔。少しのサビは闘ってきた傷跡か。

 

「ぼちぼち…畑の支度?」

 

「今は何も気にするな。」

 

分厚い鎧に、到底太刀打ちはできない。

 

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       最後までお読みいただきありがとうございます。

      心のリハビリのためにも、大切な作業となっております。

      不定期ですがこれからも載せてゆく予定です。

      どうぞよろしくお願いいたします。

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