シュフウグーの 主婦エッセイ

等身大の 心の旅 ~自己観察 家族観察 いのちの観察~

カメムシと話せますか

 

カメムシに話しかけた。

洗濯物に隠れてついて入ってくるのが嫌で、過ごしやすい季節に入ると部屋干しをするのに、そっちのアンテナが錆びていたようだ。

カメムシにとっては、格好の居場所になるような気温でもあったのか、完全に乾かなかったすべてを取り込んでハンガーごと部屋の中につるし、今朝、改めて外してたたみ始めると、表側に返す時2匹も出てきた。

嫁ぐまで意識をしていなかった「色褪せ」防止は、わざわざ裏返して干すこと。たたむときにガサガサ触るから、嫌でもポトッと音を立てて落ちてくる。

その辺の薄っぺらい折り込み広告か何かでそっとすくって外へ逃がすから、いつも言われる。

「つぶせや!」

夫のひと言が乱暴に聞こえる。

刺激を与えると、確かに鼻をつく匂いだし、絵面も美しいものとは思えない。腹側なんて、想像しただけでぷっくりとしたボーダー柄に実はぞぞっと鳥肌が立つ。

けれども、彼らは何もしないし、わざわざ殺すのはどうだろう。そう思うと、つぎに飛び込んでくる、また入ってくるじゃないか!の勢いも、振り切って外に出したくなる。

ビックリさせないように紙を傍まで近づけて、声をかける。

「おいで。外に出よう。」

当然、いそいそと逃げ始める。言葉が分かるはずもないし、明らかに危険対象だ。これからどんな目に合わせられるのかと、命がけで逃げるのだろう。

通じないから、サッとすくって小走りで戸の所へ行き、外に出す。ポロッと完全に落ちるヤツもいれば、途中で羽音を懸命に立てて遠くへ飛んでいくヤツもいる。罪はない。

ビジュアルや匂いは、ほとんどのヒトの感覚を萎えさせる。死骸となった後も嗅覚を一撃し、しばらく漂うから、まあ、厄介者と言えばそれ。不運だと思うのもカメムシに失礼か。

それに限らず、ヒトの都合で無かったことにされる命が、ひとつでも多く残れますようにと、周りから見ると明らかに変な動きをしょっちゅうしているのが私で、庭の独り言は9割がた虫に話しかけている。決して好きではないし、どちらかと言えば苦手。

でも、誤って家の中に入ってきたカマキリは、鋭い眼光とからだいっぱいに広げた必死のギザギザを向けられても、腹の両脇をそっと掴んで草むらに返す。もしかしたら、返したが場所がとても迷惑な位置だったかも知れないし、どこだ!どうした!と困惑させているかも知れない。いずれにしても命がけなら、土の匂いがするところの方がいいに決まっている。

来世は虫かも知れないし、そんな世はそもそもあるかないかも分からないけれど、見返り云々は抜きにしても、どんな大きさだろうとどんな形だろうと、どれだけ匂いを放とうと、無駄に殺めてはいけないと思う。

そんな気持ちが時々渦巻く。

そして今朝も、洗濯物を外に干した。

 

 

 

 

 

 

 

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今回は小さないのちを見つめた話です。

歩く機会が増え、アスファルトに潰れているのが目にとまると、心がキュッとなります。車生活の時には気づかなかったような、歩道のグレーチングの下の溝とかつい覗き込んだり、カーブミラーのポールにしがみついている蛙をじっと見ていたり、かなり怪しい動きで「命」を見つけては話しかけています。ちょっとおかしいのかも知れません(笑)

無駄ないのちは無い。これだけは間違っていませんからね。

 

本日もお読みいただきありがとうございます。

 

次回のお越しもお待ちしています。

 

シュフウグー

 

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